
銅を加工すると切削液が変色? その影響とは
2025.06.27
お客様よりこんなお問合わせがありました。
「銅を加工すると切削液が青くなった。とくに加工に問題ないけど、、。切削液が変色すると別の不具合や悪い影響があるの?」
回答)「防錆性能が低下する」「銅系ワークが変色しやすくなる」などの悪影響が出ることもあります。
切削液に銅が溶け込むと液の色が青~緑色を帯びます。
すべての場合で悪影響が出るわけではありませんが、切削液によっては不具合が起きる恐れがあります。
このような実験データがあります。
実験:
原液を20倍希釈した切削液を準備し液を半分に分けます。一方を【銅粉テスト前】の液とします。
他方に銅粉1%を添加し、1か月間、連続的に専用の機械で振り混ぜ続けます。この液は銅を加工し液中に銅が溶け込んだ状態を想定しています。【銅粉テスト後】の液とします。
銅粉テスト前と後で、1)切削液の色(銅濃度)、2)防錆性能、3)銅系ワークの変色抑制性能について比較しました。
切削液は
・メカクリーンカットCA1(以下CA1と記載)
・切削液A
・切削液B
の3品を比較しました。
結果:
1)液の色は切削液Bが青みを帯び、CA1と切削液Aは変化ありませんでした。
銅濃度を測定したところ、切削液Bが最も高く(銅が最も溶け込んでおり)、切削液A、CA1の順に低くなりました。
2)鉄に対する防錆性能は、切削液Bは急激に劣化していました。
CA1の防錆性能は銅粉テスト前(新液)では切削液Bよりわずかに劣るものの、銅粉テスト後でも防錆力を維持していました。
切削液Aはもともとの防錆力が低く評価できませんでした。
3)銅系ワークの変色抑制性能は切削液Aは明らかな劣化が見られました。CA1と切削液Bは大きな変化は見られませんでした(切削液Bはもともと変色が多めでしたが)。
上記切削液Aは液の色が変わっていないのに「銅系ワークが変色しやすく」なってしまいました。
切削液Bは液が青くなり「防錆性能が低下」してしまいました。
もちろん、液の色が変わっても問題なく加工ができれば、(また防錆性能などの二次性能も問題なければ)OKです。
当社製品ではCA1のように加工材質に合わせた専用品があります。
こちらの記事もご覧ください。
切削液。なぜ鉄やステンレス、銅、アルミニウムなどの加工金属によって液を変える?
メカクリーンカットCA1に変更した、下記導入事例もぜひご覧ください。
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