塩素含有の油は燃えにくいのか?
2022.09.08
「塩素含有の油って燃えにくいの?」
回答)
燃えにくくなりますが、油は燃えます。
そもそも燃焼とは、可燃物が光や熱の発生を伴って、激しく酸素と反応する化学反応です。
なぜ燃えにくくなるのか少し化学的な話をします。
油は主に炭素と水素が結合したものです。
油が燃えるとは
①油の表面から順に炭素や水素がバラバラになります。
②バラバラになった炭素や水素に酸素がくっつきます。
③くっついた物質をそれぞれ二酸化炭素、水と呼び、空気中へ逃げていきます。
これら①~③が『連続して続き』、油は二酸化炭素や水にカタチを変えます。
※イメージ
さて塩素が結合した油の場合です。
炭素、水素、そして塩素をバラバラにするところまではほぼ同じです。
実は塩素は早く何かと結合したいと思っており、酸素よりも先にバラバラになった炭素や水素等に再結合してしまいます。
再結合すると油の表面に「フタ」をされた状態となり、炭素や水素がバラバラになりにくくなり、上記①~③が『連続して続きにくく』=『燃焼という化学反応が起きにくく』なってしまいます。
そのため塩素含有の油は燃えにくくなります。
ところで、塩素を含む油にも燃えるものがあります。
写真は塩素入りの油をクロスに少量含ませて火を近づけた実験です。
塩素濃度の高い油は10秒以上火を近づけましたが燃えませんでした。写真左。
他方、塩素濃度が低く燃えやすい成分が多い油は簡単に燃えました。写真右。
塩素が含まれると確かに燃えにくくなります。
しかしながら当社製品の油はさまざまな成分をブレンドしてつくられています。写真右のように、油の中に燃えやすい成分やその割合が多い場合には簡単に火が着きます。
当社では「引火点」として燃えやすさ(危険性)を情報提供しております。
ご不明な点はお問い合わせください。