防錆剤 ~防錆油の軟質? 硬質膜? 気化性って?~
2023.05.12
軟質膜と硬質膜ってどんな状態? 気化性防錆剤って何?
回答)
まず、軟質膜と硬質膜について。
JIS K 2246によると、軟質または硬質膜は主に溶剤希釈形防錆油の性質を示す言葉で、
乾燥後ベタベタしない状態となる防錆膜を硬質膜、軟らかい(指先で擦ると跡がつく)状態となるものを軟質膜と呼ぶそうです。
〇溶剤希釈形防錆油のイメージ(溶剤が揮発して防錆成分が残る)
〇軟質膜と硬質膜のイメージ(乾燥後の防錆皮膜を触って跡が付くか)
下記の画像のように、リアルな防錆剤、ワークでも軟質被膜を触ると指紋の跡が残ります。
気化性についてもJIS規格にありますが、言葉では少しややこしいので下記イメージをご覧ください(何れも正確な定義はJIS規格をご確認ください)。
〇気化性防錆剤のイメージ(密閉状態で防錆空間を作る防錆剤)
当社油性防錆剤では7割以上の品番が溶剤希釈形で軟質膜を形成するタイプ(製品例:CP-10ほか多数)です。鋳物向けや銅系向けもあります。
硬質膜を形成するタイプはメカファインコートM-1、気化性防錆剤はメカシャインD-88、などがあります。
JISでは、当記事で紹介した溶剤希釈形や気化性以外に、防錆油の『性能、性質』面から分類されています。
一方、当社では『用途』面からご紹介しています。
屋外、自動車床下、金型(屋外保管)、プラスチック成型金型用、ワイヤ放電加工用など、お客様のご使用に合わせて防錆剤をご案内しています。
油性防錆剤選定に関するご質問、お困りごとがありましたらお気軽にお問い合わせください。