超音波洗浄すると何がいいの?仕組みとメリットを解説
2025.12.02
「汚れ落ちが悪いときに超音波洗浄を勧められた。超音波洗浄は何がいいの?どのような仕組みなの?」とお問い合わせをいただきました。
以下、ご質問に対する回答です。
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■ 超音波洗浄とは?
超音波(20kHz〜)を液体に当て、
微細な気泡(キャビテーション)の破裂で汚れを叩き落とす洗浄方法です。
• 複雑形状に強い
• 手では届かない細部まで洗える
工業用途では金属部品・樹脂部品の洗浄に多く使われています。
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■ 超音波洗浄の仕組み
1. 超音波の振動で小さな気泡が発生
2. 気泡が破裂(瞬時の衝撃)
3. 表面の汚れをはがす
=目に見えないブラシで一斉にこすっているイメージ

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■ 超音波洗浄のメリット
◎ ① 複雑な形状でもしっかり洗える
穴・溝・ネジ部など、液が入る隙間なら洗浄可能。
◎ ② 洗浄ムラが少ない
機械任せなので、誰が洗っても同じ品質になりやすい。
◎ ③ 時間短縮につながる
手作業より速く、安定した洗浄ができる。
◎ ④ 前処理と組み合わせると効果がさらにアップ
ガスヤニや強い油汚れは、
「塗布 → 浸透 → 拭取り → 超音波」で効率UP。
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■ 間接洗浄(ビーカー洗浄)について
超音波洗浄機の中に ビーカーなどの容器を入れて洗浄する「間接洗浄」 という方法もよく使われます。
強酸や強アルカリ性の洗浄剤などにより、洗浄槽を傷める可能性がある場合に間接的に超音波を当てる方法として利用されます。
一方で、ガラス越しになるため超音波が弱まりやすい点には注意が必要です。
槽液とビーカー液の温度差が大きい場合も効果が落ちるため、液温を揃えるのがおすすめです。

(※間接洗浄イメージ)
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■ 超音波洗浄が向いている汚れ
• 油汚れ
• グリス
• カーボン
• ガスヤニ
• 粉塵・切削粉
硬く固着した汚れは前処理をすることで、より汚れが落ちやすくなります。
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■ 超音波洗浄で効果が出ない時の原因(よくある3つ)
1. 液温が低い(40〜60℃が目安:ただし洗剤の最適温度も考慮が必要)
2. 洗浄剤が汚れに合っていない
3. 部品が密集しすぎて音波が当たらない
この3つで改善することが多いです。
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【おまけ:超音波洗浄での油汚れを落とす様子】
当社では、ワーク材質や汚れに合わせた洗浄液をご提案しています。
洗浄でのお困り事など、お気軽にご相談ください。



