汚れと油性洗浄剤の相性 ~炭化水素系溶剤って何?~
2023.06.16
油性洗浄剤にもいろいろあるけど、どう違うの? 炭化水素って何?
回答)
一般に炭化水素系溶剤は「油汚れ」に対する洗浄剤として適していることが多いです。
また、アルコール系溶剤は「油性マーカーなどの汚れ」に対する洗浄剤として適していることが多いです。
汚れを見極めて相性のよい洗浄剤を使うと経済的です。
当社油性洗浄剤製品ページの成分欄には「炭化水素」「アルコール系溶剤」などと記載されています。
炭化水素とは化学の言葉であり、炭素と水素からできている物質の総称です。
常温で気体、液体、固体と様々な物質が存在します。その中で、常温で液体、揮発しやすい、入手しやすい(安価である)ものが一般に洗浄剤として使用されています。
油(汚れ)の主な成分も炭化水素なのでお互いに混ざりやすく、油をよく溶かす洗浄剤として適しています。
他方、アルコール系溶剤は油性マーカーに用いられる樹脂などになじみやすい化学構造を持っており、油性マーカーを落とす洗浄剤として適してします。
【実験】
洗浄剤との相性を見るためこんな実験をしてみました。
汚れとして4つ準備しました。
① 油性プレス剤(メカエコプレスU-500TKN/動粘度330)
② ペースト状防錆剤(メカP-700)
③ 青ニス
④ 油性マーカー
当社油性洗浄剤を2つ準備しました。
A)メカCS-40(炭化水素系/油汚れに向いています)
B)メカマークカット(溶剤系/油性マーカー等除去に向いています)
①~④の汚れをA及びBの洗浄剤に室温で同じ時間それぞれ揺動浸漬しました。
【参考動画】油性マーカーをA)メカマークカットとB)メカCS-40それぞれで洗浄した場合の様子
【結果】下の表のようになりました。
○⇒汚れが綺麗に落ちた
△⇒汚れがそこそこ落ちた
×⇒汚れが落ちなかった
汚れ | A)メカCS-40 | B)メカマークカット |
① 油性プレス油 | ○ | ○-△ |
② ペースト状防錆剤 | ○ | × |
③ 青ニス | × | ○ |
④ 油性マーカー | × | ○ |
【洗浄剤相性確認テスト結果の一例】
【結論】
以上の結果から、『洗浄液が汚れに合っているか(相性)』を見つけることが重要であることがわかります。
また洗浄液の臭気が許容かどうか、消防法危険物(引火点により火災の危険性が異なります→こちらの記事もご覧ください)としての取り扱いや保管量、洗浄力が強すぎて塗装を剥離してしまうなど他の不具合が出ないかを考えることも大切です。
当社ではお客様の洗浄対象物、使用条件などをお聞きして、汚れがどんなものなのかを見極め、より適した洗浄剤をご案内しています。
お気軽にお問い合わせください。