
現場でできる!洗浄後の加工品の清浄度を簡易的に確認する方法
2025.07.02
加工品の洗浄後、清浄度をどのように確認していますか?
目視や手触りでの確認が一般的かと思いますが、薄く残った油汚れは見た目ではわかりづらく、触ってもぬめり感は曖昧なことが多いです。
とはいえ、分析装置を使って詳細な表面分析を行うには、時間もコストもかかります。
そこで今回は、現場で手軽に洗浄状態を確認できる方法として、「水の濡れパターン」を使った確認手法をご紹介します。
スプレーパターン法とは?
「スプレーパターン法」は、清浄にした面に一定の距離から純水を噴霧し、表面の**濡れ具合(パターン)**を観察する方法です。
-金属表面が清浄であれば、水は広がって濡れます(親水性)
-油分が残っていると、水は弾かれて丸い水滴になります(疎水性)
この違いを観察することで、洗浄が十分かどうかを簡易的に判断できます。
実験してみました
今回は、現場でより手軽に試せるように、以下のように方法をアレンジしました:
スプレーガンの代わりに → ミスト式ハンドスプレーを使用
純水の代わりに → イオン交換水を使用
[実験内容]
素材:SPCC-SB鋼板
条件:
① 洗浄済みの鋼板
② 当社タッピングオイルを薄く塗布した鋼板
それぞれにミスト式スプレーで約20秒間噴霧し、濡れパターンを比較しました。
[結果]
①洗浄済み鋼板は、水がベタっと広がり、全面が濡れる
②水が弾かれ、丸い液滴が残る
といった結果となりました。
また、噴霧後の状態よりも、噴霧中の方が濡れ方の違いがより明確に観察できました。
洗浄されている場合は広範囲に濡れ広がりますが、油膜がある場合は噴霧した瞬間から水をはじきます。
純水や専用のスプレーガンがなくても、身近な資材を活用すれば清浄度のチェックは可能です。
「完璧な分析」ではなく、「その場でざっくり把握」するという目的であれば、今回のような方法でも十分に役立ちます。
※ただし、水に弱い素材や形状によっては不向きな場合もあるため、適用前にご確認ください。
洗浄について、疑問のある場合にはお気軽にお問い合わせまでご連絡ください。