水溶性切削液用の添加剤 ~殺菌剤、消泡剤~
2023.11.28
製品ラインナップのカテゴリ「その他」にある防腐剤や消泡剤ってなに?
どんなときに使うの?
回答)
主に水溶性切削剤の使用液(加工液)に添加して使います。
水溶性切削液は使っていくと成分が消耗します。
通常は新液(缶の中の原液)を消耗に合わせて追加添加します。
そして性能面でこれ以上使えないと判断されるときや機械内を掃除するときに使用液を全て交換します。
ところで水溶性切削液には加工性だけでなく、そのほか様々な性能が求められます。
例えば、①ワークの錆を防ぐこと(防錆)、②変色が起きにくいこと、③液が腐りにくいこと、④泡立ちにくいこと、などです。
水溶性切削液には、それらの要求性能を想定して各性能を向上させる成分がもともと入っています。
全体的に各成分が減っていけば新液(缶の中の原液)の追加添加で全体的に回復させることができるのですが、一部の成分だけが極端に消耗してしまうと液のバランスが崩れてしまい新液の追加では回復できない場合があります。
そこで、『殺菌剤(防腐剤)』や『消泡剤』といった製品が使われます。
例えば、「極端な」微生物の増加に対して、『殺菌剤(防腐剤)』を添加使用します。
夏場液温が上がると細菌(バクテリア)やカビにとって加工液は居心地のよい状態になります。
また夏休みで加工機を止め、液が動かないと微生物が増加することがあります。
新液(缶の中の原液)にも防腐剤が配合されていますが、微生物が増えすぎた場合それでは足りません。
このような水溶性切削液が腐敗しやすい場合には、殺菌剤を添加使用します。
(※参考ブログ:生菌数の測定方法、メカバイオアウト#140と#160Tの違い)
また、「極端な」消泡成分の持ち出しや油分の多量混入の場合に対して、『消泡剤』を添加使用します。
成分が消耗する原因の一つとして、切削くず排出時に成分がくっついて機械内から出て行ってしまうことが考えられます。
またクーラント内に摺動面油が混入していきます。特にエマルションタイプは混入が多くなる傾向があります。
そのように消泡剤成分が少なくなったり、油分が混入してくるとクーラント内で泡の消え方が遅くなることがあります。
このようなときに消泡剤を添加使用します。
上の動画は、当社の消泡剤の効果を「消泡剤あり」「消泡剤なし」で比較した動画です。
ぜひご覧ください。
水溶性切削液の添加剤②では、水溶性切削液に添加する防錆剤や変色防止剤、pH調整剤などをご紹介しています。
あわせてご覧ください。
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