防錆剤の除去(洗浄)方法
2025.11.21
「防錆剤って、どうやって洗浄すればいいの?」 実はこの質問、日々多くのお客様からいただくお問い合わせのひとつです。防錆剤は、「水溶性タイプ」「油性タイプ」など性質によって落とし方が異なるため、 “どの洗浄剤を選ぶか” が仕上がり・作業性に大きく影響します。この記事では、防錆剤を安全かつ確実に除去するための 最適な洗浄方法 をわかりやすくご紹介します。
回答)防錆剤の除去で最も大切なことは「性質に合った洗浄剤を選ぶこと」防錆剤は一般的に薄い皮膜のため、適した洗浄剤を選べば容易に除去できます。洗浄剤の選び方はとてもシンプルです:
水溶性防錆剤 → 水系の洗浄剤
油性防錆剤 → 油性の洗浄剤
「どっちを選べばいいかわからない・・・」そんな方は、
この記事(よく落ちる洗浄剤は油性?水溶性?)も参考にしてください。
水溶性防錆剤の場合|鉄・ステンレスなら“アルカリ系”が特に効果的です。
水溶性防錆剤の除去には、水系洗浄剤が基本です。さらに、対象材質が 鉄・ステンレスの場合 はアルカリ性洗浄剤が非常に相性が良く、短時間でしっかり落ちます。
推奨製品例:メカスーパークリーナー
✅ アルカリパワーで分解力が高い。
✅ 油汚れ・皮膜汚れに強い。
✅ 部品洗浄や金属加工現場で人気
油性防錆剤の場合|油性洗浄剤でストレスなく除去できます。
油性防錆剤を落とす場合は、同じく油性タイプの洗浄剤を選ぶのが最も確実 です。特に、皮膜がしっかりしている油性防錆剤は、水系洗浄剤では落ちにくく、作業性も低下します。
推奨製品例:メカCS-40
✅ 油性皮膜の溶解力が高い。
✅ 防錆油の除去に多数の実績。
【実験】油性防錆剤は、油性洗浄剤だと“浸けるだけ”で落ちる
下記画像は、着色された油性防錆剤(CP-4000G)を油性洗浄剤(メカCS-40)・水系洗浄剤(メカスーパークリーナー)に浸漬させた様子です。

メカCS-40(左)ならば、浸けるだけで皮膜が溶け、洗浄完了。
一方で、同じ防錆剤をメカスーパークリーナー(右)に浸漬した場合には、
油性皮膜はほとんど落ちず、油性洗浄剤の有効性がはっきり分かる結果となりました。

注意:一部の防錆剤は“そもそも除去を前提としていない”
当社の防錆剤の中には、コーティング用途の メカファインコートM-1 のように
「除去しない」ことを前提に設計したものもあります。
このタイプは、もし除去が必要な場合、洗浄ではなく“物理的に削る”しか方法がありません。
✅防錆目的なのか
✅コーティング目的なのか
✅どの工程で除去が必要なのか
などを考慮して、行う必要があります。
最適な洗浄剤・洗浄方法をご提案します「この防錆剤はどれを使えば落ちる?」 「工程の中で洗浄ステップを簡略化したい」 「水系に切り替えたいけど可能?」など、現場ごとに希望が異なります。
当社では、部材・工程・条件をヒアリングしたうえで最適な洗浄方法をご提案しています。お気軽にお問い合わせください。



