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防錆剤 違い 油性 ワイヤ
防錆剤

防錆剤の違い ~ワイヤ放電加工用塗布タイプと一般的な防錆油~

2022.11.25

お客様より、
「ワイヤ加工用のメカPコートと一般的な保管用のCP-3はどう違うの? 一般用をワイヤ加工用として使えないの?」
との問い合わせをいただきました。

回答)防錆膜の厚みや性質が違います。それぞれの使用条件に合わせて作られているため、用途に応じて使い分けていただくほうが効果的です。

各防錆剤に求められる主な条件です。
ワイヤ放電加工用:水中。水の流れ(勢い)あり。期間は数時間から数日間。
保管用:空気中。数週間から数か月。

ワイヤ放電加工用のメカPコートは塗布、乾燥後、厚み数十~数百ミクロンの半固形の皮膜となります。
油状(やわらかい膜)では水の勢いで流されてしまうため、程よい硬さの皮膜になるよう調整してあります。
程よい硬さゆえ、加工後の脱脂も容易です。
しかしながら数か月放置すると硬い皮膜となり脱脂しにくくなってしまうことがあります。

他方で一般的な保管用の防錆油CP-3は乾燥後も油状です。
数ミクロンの厚みにもかかわらず、防錆効果は空気中で数か月の実績があります。
これをワイヤ放電加工に使用すると油状(やわらかい膜)であるため、水の勢いで流され防錆効果が弱くなってしまいます。
厚く塗布することで防錆効果アップも可能ですが、流れてしまえば防錆効果がなくなるだけでなく、加工水、フィルター、イオン交換樹脂を汚してしまう恐れがあります。

これらのことから用途に合った製品のご使用をおすすめしております。
本記事の内容に不明な点や防錆剤のお困りごとがありましたら、お気軽にこちらからご相談ください。

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