「メカストロングコート」開発秘話~屋外でも防錆効果を発揮する強靭な被膜を目指す~
2024.10.11
あるユーザー様では金型を外気にさらされるところに保管していましたが長期間置いておくとサビてしまい、再使用時のメンテが大変という課題がありました。
当社の一般的な防錆油をご使用いただき、一定の効果はありましたが、やはり長期間保管するといくらか錆が出てしまいます。
メカストロングコートは屋外の保管(多少の雨にさらされてもOK)を可能にした防錆剤で、当ユーザー様の課題を解決しました。
開発者に開発当初の話を聞いてみたところ、
「屋外では硬質防錆被膜に対しても降雨は大敵」
の発見があったそうです。
開発の初期段階では、JIS規格の湿潤試験や塩水噴霧試験結果向上を追い求めました。
しかしながらどんなに結果を良くしても、たった1回の降雨で錆が発生してしまうことがわかり、配合の大きな見直しが必要でした。
一般的な防錆油では、雨に当たると防錆被膜が破壊され、防錆力が弱まってしまいます。こちらの記事「屋根で防錆?」もご覧ください。
とはいえ被膜を厚く、硬くすると「塗料(塗装)」に近づくこととなり、簡単に脱脂ができなくなってしまいます。
そこで被膜の「厚み」「強靭さ」に加えて、防錆剤として重要な「脱脂性」の3つを追究しました。
この相反する性能を両立させるため、さまざまな被膜形成原料とその組み合わせを探りました。100を超える基礎実験を行ったそうです。
その中から「厚み」「強靭」かつ「脱脂可能」な被膜をつくりだすことに成功しました。
完成した試作品を先のユーザーへ提出したところ、
「乾燥スピードをもっとはやくしてほしい」
との要望があり、すぐに改良、再提出しました。
その試験結果は良好で「金型のメンテナンスコストが減ったよ」とお褒めの言葉をいただき、メカストロングコートとして完成しました。
錆に関するお困りごと、こんな商品あるといいな、などお気軽にお問い合わせください。