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防錆力の比較方法~油性・水溶性防錆剤の試験と評価方法~
2025.02.14
お客様から「A社の防錆剤とどちらが防錆力がありますか?」といったお問い合わせをいただくことがあります。
防錆力の目安は防錆期間ですが、気温や保管場所などの環境によって変動するため、客観的な指標が求められます。
そこで、当社では油性・水溶性の防錆剤に対してそれぞれ適当な試験を行い、比較を行っています。
油性防錆剤の指標:塩水噴霧試験
過去のブログでもあったように、油性防錆剤の場合、塩水噴霧試験が防錆力の指標として活用されます。
カタログなどで「塩水噴霧試験 ○○時間 A級」と記載されているのをみたことがあるかもしれません。
この記述は、試験片(SPCC-SB鋼板)が定められた時間内に錆びなかったことを示し、防錆力の比較に役立ちます。
水溶性防錆剤の指標:鋳鉄切粉シャーレ試験
当社の場合、水溶性防錆剤の防錆力比較には、鋳鉄の切粉を使った試験を行っています。
試験方法は以下の通りです。
- シャーレに直径7 cmの濾紙を敷く。
- その上に鋳鉄の切粉(2g)を置く。
- 希釈した水溶性防錆剤(2mL)を滴下。
- 蓋をして50 ℃で2時間静置。
- 切粉を取り除き、濾紙に付着した錆の数を測定。
同じ希釈倍率で試験を行った場合、錆の発生数が少ない水溶性防錆剤の方が防錆力が高いと判断できます。
この試験方法は、水溶性防錆剤だけでなく、水溶性プレス剤、水溶性切削剤、水溶性研削剤の防錆力比較にも活用されます。
防錆力の比較試験は油性と水溶性で異なりますが、それぞれ防錆力の指標として参考にすることができます。
防錆力でご不安な点やご不明な点は、お気軽にご相談ください。