水溶性切削液と油性洗浄剤の相性 ~銅加工後の洗浄~
2023.04.17
銅材料を水溶性切削剤で加工しているお客様よりこんなお話を聞きました。
専用の洗浄スペースがないため「炭化水素系」の洗浄剤を使用しており、洗浄後しばらくすると、銅表面が変色してしまう。
よい洗浄方法はないかとの相談です。
回答)
炭化水素系の洗浄剤では表面に残った水溶性切削剤を十分に落とすことができず、残った水分をきっかけとして変色してしまったと考えられます。
まずは十分に除去するために、メカソルベント#500をお試しください。
⇒その後、実際に試していただいたところ、変色を抑えることができるようになったとのことです。
銅は酸素(空気)、水(湿気)と反応しやすく、すぐにシミや変色ができてしまいます。
加工後はできるだけ早く水気を取り除き、銅用の防錆剤を塗布することが理想です。
また、洗浄にはこの記事の通り相性があり、水溶性には水溶性、油性には油性が基本です。
一方、「水溶性」切削剤を「油性」洗浄剤で洗う場合です。
先のお客様のように専用の水溶性洗浄槽を設置するスペースがない場合もあります。
そこで、当社では下記のような2つの試験をしてみました。相性の一例です。
水溶性切削剤:メカクリーンカットCA1
油性洗浄剤:メカマークカット、メカCS-40、メカソルベント#500
を使用した試験です。
① 着色したメカクリーンカットCA1を各油性洗浄剤に入れます。
下記画像のように、メカクリーンカットCA1とメカCS-40(炭化水素系)では分離し、他の洗浄剤2品には溶けて混ざります。
他2製品のほうが、水溶性切削液の洗浄に向いていることがわかります。
② 同じく着色したメカクリーンカットCA1を鋼板に塗り付けておき、各洗浄剤で洗ってみると、
やはりメカCS-40(炭化水素系)が最も落ちにくいことがわかりました。
これらの3製品は当社カテゴリ内ではいずれも油性に分類されていますが、いろんな汚れに対応してつくられた洗浄剤です。
この記事では、「水溶性」切削剤と相性の良い「油性」洗浄剤を紹介しました。
逆に、油性プレス加工潤滑剤の洗浄には、炭化水素系のメカCS-40が向いています。
汚れに合わせた洗浄剤を使用することで、その洗浄の効果が大きくなるのか否かが左右されてきます。
そのほかにも各種洗浄剤を取り揃えております。お客様のご事情をお聞きしながら、最適な製品をご提案します。お気軽にご相談ください。