水溶性切削液の洗浄
2023.12.19
水溶性切削液がついたワークを洗浄したい。どんな洗浄剤を使えばいいの?
回答)
水、アルカリ性の水溶性洗浄剤、アルコール系洗浄剤、などでしょうか。
『でしょうか』とはっきりしない回答になってしまいましたが、ワークの状態や材質によって使い分けます。
一般的に、
〈コツ1〉汚れが何なのかを確認
〈コツ2〉ワーク表面の状態を確認
〈コツ3〉相性のよい洗剤を使う
〈コツ4〉金属表面にやさしい方法で行う
を活かすと、より良い洗浄ができるといわれます。
上記のお問い合わせの場合、汚れは水溶性切削液なのでワークの状態を見て、洗浄剤を選定していきます。
加工後すぐの状態なら『水』だけで洗い流せるでしょう。
※下記画像参照。
加工機から出して時間が経ち、カピカピに乾いた状態やホコリ・油分など異物が付着した状態なら『アルカリ系の水溶性洗浄剤』や『アルコール系の洗浄剤』のほうが落とせるかもしれません。
その後、上記のコツを活かしながら、洗浄剤を選定していきます。
<コツ1&3> 水溶性切削液自体は水になじみますが、炭化水素系油性洗浄剤とは混ざりにくいです。⇒炭化水素系油性洗浄剤は使わないようにします。
※下記画像参照。炭化水素系洗浄剤使用。
<コツ1&2&3> 表面の状態を確認し、水だけで汚れを溶かしにくくなっているようなら、水だけで洗うよりアルカリ性の水溶性洗剤や相性のよい洗剤を用います。
※下記画像参照。アルカリ性水溶性洗剤使用。
※下記画像参照。相性の良いアルコール系油性洗浄剤使用。
<コツ4> 材質によっては洗浄中に錆が出てしまったり、表面が変色してしまったりすることがあるため、防錆剤・変色防止剤を添加・併用して表面をいたわりながら洗浄する方法もあります。
さらに洗浄剤の相性などが気になる方は、これらの記事「銅加工後の洗浄~水溶性切削液と油性洗浄剤の相性~」「よく落ちる洗浄剤は油性?水溶性?」もご覧ください。
せっかくきれいに仕上げた切削面なのに、
きれいに洗浄できない、洗浄後になんだか表面がくすんでいる。
あるいは、洗浄剤のコストが気になるといった場合には、お気軽にご相談ください。
【本ブログ記事内のGIF画像は、水溶性切削液を希釈し、着色した液をワークに塗り数日放置したものをそれぞれの液性をもった洗浄剤で洗浄する様子を撮影しています】