銅用の錆取り剤、変色除去剤の違い
2024.10.10
銅用の錆取り剤と変色除去剤の違いって何?
回答)
現在のところ当社では「錆」または「変色」を厳密に分けた除去剤をラインナップしていません。
変色と呼ばれる現象は広い意味で使われ、最適な薬剤をつくることがむずかしいためです。
「錆」は一般に金属が酸化して生成した物質を指します。
他方で「変色」は表面がさまざまな物理的・化学的な変化・反応をした状態で、基準となるものと比べて色が異なるとき、すべて「変色」と呼ばれます。
化学的にくっついたモノが酸素であるなど錆や変色の要因を限定できる場合は取り除くための薬剤を選びやすいです。
しかしながら、くっつき方やくっついたモノの種類が異なるなど要因が限定できない場合や複合的な場合はどんな薬剤が最適かひとつひとつ見極める必要があります。
当社製品では『銅用』の錆取り剤として、例えばKC-12A、メカリンスCu-980などがあります。
KC-12Aは「錆そのものを落としたい」「母材・素地に与える影響を少なくしたい」という考え方で開発されています。
一方、メカリンスCu-980は「表面を薄く溶かして新しい面を出す」という考え方です。
そのためCu-980のほうが錆や変色の素早い除去を期待できますが、母材・素地への影響も強くなってしまいます。
上の画像は、KC-12AとメカリンスCu-980に同じ時間(約1分)浸漬した結果です。
KC-12Aで処理したほうが、金属面が反射しており、母材への影響が少なかったことがわかります。
※どちらの処理面にも文字を映しこむように撮影しています。
錆や変色には、浅い/深い、大/小があります。
どの製品が適しているか、また薄めて使うのか原液で使うのか、仕上がりを見ながらサンプルテストすることをおすすめしています。
銅用の錆取り剤のほか、変色を抑える防錆剤や添加剤、銅専用の加工油もラインナップしております。
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