金属はなぜサビるのか?
2022.02.28
金属はなぜサビるのでしょうか?
回答)
鉄の場合、地球上ではサビとして存在しているほうが自然だからです。
皆さんが目にする金属は、光を当てると反射し輝いてくれます。
とは言うものの、もとをただせば地面の中に隠れていた石だったことを忘れてはいけません。
鉄は鉄鉱石、銅は黄銅鉱、アルミニウムはボーキサイトと呼ばれる鉱石からできています。
実はこれらの鉱石の主成分は、金属成分と酸素等が結びついた物質であり、これを「サビ」とも呼びます。
つまり、地球上に鉱石として(サビとして)存在している状態が、金属としては最も自然な姿であり、理想の姿と言えます。
ですので、精錬され金属となった後でも、石だった時のような自然な姿になりたいので、身近な物質(大気中の酸素や水)と反応します。その物質が「酸化〇〇(サビ)」と呼ばれています。
[ 鉄のサビのあれこれ ]
自然な姿に戻りたい傾向が強い鉄は、表面で大気中の酸素や水と反応し錆ができます。
赤茶色のサビは進行して、鉄材は朽ちていきます。
しかし表面を守るサビもあります。
例えば、黒サビと呼ばれるもの。中華鍋にみられる黒い鉄は、熱を加えて(高温酸化)、わざわざ黒サビを造ったものだと知っていますか?鍋の腐食を防ぐことを目的に、黒サビを造っているのです。
あるいは、高層建築や重量構造物の芯材としての鉄骨の中には、サビが発生して初めて強度が確保できる材料もあるんですよ。
人間の知恵ってすごいですよね。
和包丁に代表される鋼も鉄の1種ですが、食品調理に使うからサビ止めなんてしないはず。
使用後に洗って水分を取るくらいの手入れでも毎日使っていればサビてこないのに、使うのをやめてしまっておくとサビてくる不思議な道具(材質)。
昔の職人さんの知恵が盛り込まれてるからなんだろうな。