
化学物質規制と当社の取り組み:ELV指令・RoHS指令とは?
2025.08.22
お客様からいただくご相談の中で多いのが、「この製品はELVやRoHSに適合していますか?」といった法規制に関する調査依頼です。
なぜ当社のような化学品メーカーに確認が来るのかというと、最終的に自動車メーカーや電機メーカーが規制適合を証明する必要があるため、
原材料・部材レベルから有害物質の使用状況を遡って確認しなければならないからです。
今回は、その中でもよくご質問をいただく ELV指令とRoHS指令 について簡単にご紹介します。
ELV指令とは
ELV指令は、欧州で2000年に制定された廃自動車のリサイクル推進を目的とした規制です。
2003年以降は鉛などの特定有害重金属の車両への使用を制限し、車両を製造から廃棄に至るまでライフサイクル全体で環境負荷を最小限に抑えることを目指しています。
規制対象物質は、鉛・水銀・カドミウム・六価クロムの4種類です。
RoHS指令とは
RoHS指令は、欧州で2003年に制定された規制で、対象は電気・電子機器です。
背景には、家電やIT機器の大量廃棄による電子ごみ問題があります。
製品内部に有害物質が使われていると、使用中は問題がなくても廃棄時に環境へ流出するリスクがあるため、「使用後ではなく“製造段階で有害物質の使用を制限する”」というアプローチが取られました。
規制対象物質は次の10種類です。
重金属:鉛、水銀、カドミウム、六価クロム
難燃剤:PBB、PBDE
可塑剤:フタル酸エステル類 4物質
共通する有害重金属の影響
鉛:体内に蓄積し、神経系・血液・腎臓などに影響。発がんの可能性あり
水銀:有機水銀は特に毒性が強く、水俣病の原因として知られる
カドミウム:腎臓や骨に影響し、イタイイタイ病の原因物質
六価クロム:皮膚や呼吸器に影響し、発がん性あり
鉛・水銀・カドミウムはいずれも自然界に存在しますが、人為的に環境へ放出されると水質や土壌を広範囲に汚染し、深刻な健康被害を引き起こします。
当社の取り組み
当社製品は、上記の4種類の有害重金属を使用しておりません。
また、化学分析によってこれらの金属が含まれていないことを確認しています。
お客様が希望された際にはELV指令・RoHS指令の適合証明書を発行しております。
お客様が安心して製品をご利用いただけるよう、今後も規制動向を注視しながら対応を続けてまいります。