切削液。なぜ鉄やステンレス、銅、アルミニウムなどの加工金属によって液を変える?
2023.10.19
なぜ加工金属によって液を変えるの?
回答)
切削液はそれぞれの材質との相性を考えて作られており、材質によって得意、不得意があるためです。
得意な材質に対応した切削液を使ったほうが、「きれいに仕上がった」「加工液や工具の寿命が延びた」など満足いただくことが多いです。
例えば水溶性切削液中の防錆剤を考えると、
「鉄には抜群に効く、でも銅はダメ」という防錆原料があれば、その逆の原料もあります。
それ以外にも、様々な特性の原料をうまく組み合わせて、切削液が作られます。
その際には、『材質との相性を考えて』要望の性能に近づけていきます。
例えば、当社製品のメカクリーンカットEM-MAXは鉄に対して抜群の防錆力を示し、さらにステンレス難加工も得意です。
また、メカクリーンカットCA1は銅の加工を得意としており、加工ワークの変色や加工液の変色を抑えるように設計されています。
さらに、これらの両製品はアルミ材にも対応できるように処方されています。
切削液は使っていくと成分が消耗していきます。
鉄ばかり加工する場合、EM-MAXの『鉄に抜群』の防錆成分は十分に働きますが、銅ばかり加工する場合には『鉄に抜群』の防錆成分はほとんど使われることなく、すぐに液寿命となってしまうかもしれません。
逆にCA1で鉄ばかり加工する場合は、銅に抜群の成分は「休業中」のまま廃液となってしまいます。
同じ考え方をすると、EM-MAXに含まれる過酷な加工で効く成分は、やさしい加工では「休業中」です。
材質や加工難易度、使用工具に合わせて過不足なく働く成分でできている切削液が理想であると考えます。
このような理由から材質に合った切削液をおすすめしています。
材質だけでなく、お客様が最も重要視する性能に合わせて切削液を選定しています。
現在抱えている課題などありましたらお気軽にお問い合わせください。