乾燥タイプ(速乾性)プレス油の種類
2023.09.14
再びディーラー様よりお問い合わせです。
「前回はプレス油の種類について教えてもらったけど、今回はその中の乾燥タイプの種類をもっと詳しく教えて」
回答)
性能面からおおよそ次の3つで種類を分けることができます。
Ⓐ 「塩素入り」か「塩素フリー」か
Ⓑ 乾燥後の油分残留が「ほぼ無し」か「わずかにある」か
Ⓒ 乾燥時間が「早め」か「遅め」か
まずは、Ⓐ「塩素入り」か「塩素フリー」か、です。
塩素とは塩素系極圧添加剤のことです。これが添加されていると特にステンレスの加工に優れた潤滑性能を発揮することが多いです。
最近では廃油を適切に処理しないと環境に悪影響を及ぼす恐れがあることから、塩素フリー化が進んでいます。
塩素入りのほうが、キツい加工に有利です。塩素フリーのほうが、環境面で有利です。
次に、Ⓑ乾燥後の油分の残留が「ほぼ無し」か「わずかにある」か、です。
「ほぼ無し」は、塗布後からすべての成分が揮発してほぼ無くなってしまいます。
一方で「わずかにある」は、ほとんど(8~9割以上)の成分は無くなってしまいますが、常温では揮発しない成分が含まれており、それが残ります。
わずかにある(残る)ほうが、加工には有利です。ほぼ無しのほうが、後工程には有利です。
最後に、Ⓒ乾燥時間が「早め」か「遅め」か、です。
油の乾燥が早すぎると、例えば順送工程の最初は油が存在しますが、途中で乾いてしまい終盤で油が無くなってしまうことになります。
また乾燥(揮発)スピードは一般に気温で変わるため、同じ油でも夏場は早く、冬場は遅くなる傾向があります。
遅めのほうが、加工に有利です。早めのほうが、洗浄などの後工程に有利です。
上記図の製品は一例となります。
乾燥タイプのプレス油は、塗布後から徐々に成分が揮発して無くなっていき、最大の目的である『洗浄工程を無くす、または簡単にする』ことができます。
加工難易度、環境面、残留量の許容、加工工程や加工時の温度など条件に合わせて乾燥タイププレス油を選定、ご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。